森下の万能薬剤師の転職リポート
2025年03月28日
出産や育児を経て職場に復帰した後、限られた時間の中でも安定して働きたいと考える薬剤師は多くいます。そうしたニーズに応える選択肢の一つが時短勤務ですが、単に労働時間が短いというだけではうまく機能しません。短時間でも成果を出すための工夫や、実際に働いている人が感じているリアルな声には多くのヒントがあります。今回は、時短勤務を選んだ薬剤師の工夫と現場の実情について紹介します。家庭とのバランスを保ちながら専門職を続けるには、どのような工夫や環境が必要なのかを見ていきましょう。
時短勤務では、短い時間で効率的に業務をこなすスキルが求められます。たとえば、業務ごとの優先順位を明確にし、朝のうちに1日の段取りを組む、記録や報告のフォーマットを統一する、必要に応じて他スタッフと役割を分担するといった工夫がされています。
特に調剤や服薬指導では、患者対応と書類業務を同時並行で進める必要があるため、段取り力と柔軟性が重要になります。時間が限られているからこそ、無駄を省き、スムーズな連携ができる環境づくりが大切です。
また、ICTの活用やマニュアルの整備といった職場側の工夫も、時短勤務の生産性向上に大きく貢献しています。
時短勤務が機能するかどうかは、本人の工夫だけでなく職場の受け入れ体制にも大きく左右されます。勤務時間の制限によって任される業務が限られたり、残業ができないことで負担をかけてしまう場面もあるため、事前にチーム内での役割分担や対応ルールを明確にしておくことが重要です。
育児中の職員が多い職場では、同じ立場での理解が得られやすく、協力体制もスムーズに整いやすい傾向があります。反対に、理解がないと気を遣いすぎてしまい、長く続けることが難しくなる場合もあります。
薬剤師としてのスキルや経験を発揮するためにも、職場との信頼関係が働きやすさに直結する要素といえるでしょう。
短時間勤務であっても、長く働き続けるためには柔軟な仕組みと働く本人の工夫が両輪として必要です。シフトの融通が利く職場、突発的な休みに対応できる体制、自宅から通いやすい距離など、ライフスタイルと職場環境が一致していることが、長期的なキャリアの継続を後押しします。
また、週ごとのシフト調整や在宅勤務との併用ができる制度がある職場では、より無理のない働き方を選択しやすくなります。制度が整っているだけでなく、実際にそれが機能しているかどうかも重要な視点です。
働く時間が短くても、安定して働き続けられる環境があれば、専門職としてのやりがいを十分に感じることができます。
