森下の万能薬剤師の転職リポート

2025年06月15日

これからますます在宅医療が求められていきます

在宅医療を受ける患者さんの増加に伴い、医療はチーム医療がより必要となっています。薬剤師もチームの一員としてサポートしていく役割があります。在宅医療で求められるのは、実際に患者さんのもとへ訪問し服薬指導や相談を行う業務です。これは調剤薬局で行う従来の業務とはまた異なってきます。

自宅に訪問して薬剤を管理と指導を行います

在宅医療では患者さんの自宅に訪問して業務を行います。通常は調剤薬局や病院に来局して処方や服薬指導を行いますが、来局が難しい人もいます。薬剤師が訪問し、一人一人の薬剤を提供・管理して相談に応じます。在宅医療のニーズが高まっている昨今、正しい服用の指導を担う方が求められています。

医薬品を届け管理する業務を「訪問薬剤管理指導」と言います。訪問薬剤管理指導は、勤務する薬局が在宅訪問に対応する必要が出てきます。薬を取りに行くのが困難な患者さんに向けて訪問することで患者さんとご家族の負担を減らすことができます。

自宅のみならず老人ホームに出向いて指導を行うケースもあります。

患者さんをよりサポートしていく

薬剤の管理は、病気を抱える高齢の患者さんにとってより困難になります。病気などで認知機能や身体的機能が衰えると薬を適切に管理できません。内容をよく理解しないまま間違った量を飲んでいる可能性も少なからずあるでしょう。

症状に合わせた薬が用意されることも多く、飲み合わせによっては相互作用が出てしまいます。相互作用を防止し、正しい服薬方法を指導するのが大きな役割です。薬の飲み忘れを防止するためのカレンダーを用意したり服薬をまとめるなど生活面でもサポートします。

薬剤管理の問題は在宅薬剤師が正しく指導することにより大幅に改善します。大きな責任感やコミュニケーション力が必要な仕事ですがやりがいも大きいでしょう。

在宅医療を行う薬局はまだまだ少ない

厚生労働省は平成27年の「かかりつけ薬局」を提起し、翌年には調剤報酬改定を行いました。改定の背景には医薬分業を推奨があります。一人一人の患者さんが身近なかかりつけ薬局を持ち、薬を受け取ることを指します。

身近な薬局を持つことで、より患者さんの安全性・有効性が向上することで適した医療費にするためです。適切な医療を長く受けるために、地域を包括したかかりつけ薬局が重要視されています。在宅医療ではこれまでより患者さんの生活に踏み込んでサポートしないといけません。

基本的な飲み方であっても患者さんの行動パターンを把握し、適正な指導を実施することになります。かかりつけ薬局よりもさらに身近な存在となるでしょう。役割の重要性が高まりつつありますが在宅医療が活躍できるかはまだまだこれからです。在宅医療を行うには「訪問薬剤管理指導届出」が必要ですが、実際の届出数と実施数には大きな差があります。特に人材が不足している小さな調剤薬局では訪問薬剤管理指導を行う余裕がありません。開局時間は調剤の仕事があるため、閉局後に向かうことになり長時間勤務になってしまいます。在宅医療にかかる時間や報告書を作成したり、業務の負担が増えるばかりです。需要に対してどうやって対応していくかが今後の課題と言えそうです。

アーカイブ